今いる状況こそ自分の現在地なのだと思い込み、コツコツと忍耐強く自分を変えていくということ。

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2016年、世界各国から有名選手が集うプレミアリーグを制覇したのは、シーズン開幕前には誰しも予想だにしなかったレスターシティでした。

その優勝メンバーのなかの中心選手として活躍したのが、サッカーに詳しくない人でも、その名前と顔を知っているであろう岡崎慎司選手です。

Jリーグの清水エスパルスからそのキャリアをスタートし、ドイツ・ブンデスリーガを経て、イングランド・プレミアリーグにて旋風を巻き起こす。

華々しいキャリアですが、その裏には岡崎選手のたゆまない努力が隠れています。2017年11月に投稿された本人が書く文章の中から、その一旦を垣間見ることができました。

参照:今だから思うこと

岡崎選手の経験からくるこの飾らない文章は、どのような境遇にいる人にとっても非常に参考になるものでしょう。

まだ読んでない人は、ぜひ読んでほしいですし、僕自身なんども読み返したいと思うので、下記に全文を記載しておこうと思います。

今だから思うこと

もうずいぶんと昔のことになりますが、自分が初めてドイツに渡った時に、僕は自分の本当の弱さに向き合えたのです。

よその国でそこのチームに一日も早く馴染まなければ、一丸になれるよう誰よりも必死に努力しなきゃという思いばかりが空回りしていました。そして、いつの間にかチームに溶け込む事が目的になり、それが裏目に出て、自分らしさを失い、逆に自分はこんなに溶け込もうと頑張っているのに周りは何もしてくれないとグチりだし、仕舞いには、自分がミスれば周りの選手よりも厳しく叱咤される事に腹が立つようになったのです。
そうなると他の選手も監督も信用出来なくなるわけです。
その焦りや不安を解決してくれたのは時間です。そういう焦燥の日々の中で僕は考え続けました。そして追い込まれる中でやっと本当の自分と向き合えるようになれたのです。

どうすれば選手や監督に対して余計なことは思わず、考えずに純粋にトレーニングや試合に没頭することができるのか?

答えはシンプルでした。
それは今いるこの状況こそ自分の現在地なのだと思い込むことでした。

監督や他の選手がどういう風に自分のことを見ているのか?
自分に対してみんなはどういう先入観を持ってるのか?

どれだけ自分が良いプレーをしたと思っても試合に出れないという事は何かが足りないわけです。
周りが自分を助けてくれないんじゃなく、自分がまず周りに何をしたいのかを主張出来てないという事なんです。

日本でプレーしてた時、僕は人のせいにすることなんてあまりありませんでした。それは多分、日本のサッカー界に守られていたからに違いありません。
海外に出ると、守ってくれるものはありません。文化や言葉も違う。だからドイツとは合わないんだ、と思ってしまったら、それで終わりでした。
ドイツで受けた様々な試練、それを「アンフェア過ぎる。理不尽すぎる」と切り捨ててしまえば、そこまでのこと。
何も知らない裸の王様で終わってしまいます。実際には、他の選手にも監督にも何一つ悪気がないんです。彼らにとって僕は日本から来た一人のプレーヤーに過ぎないのです。守ってくれる人も組織も何もない。ミスすればそれはミスになります。ゴールを決めればそれは一点として自動的に評価されるわけです。

常に追い込まれた状況でプレーしなきゃいけない。でも、変なプレッシャーを自分に与えていたのは他でもない、自分なのです。他の選手と比べてしまえばどうしても納得が出来ない。でもそれこそが今の自分が立たされている現在地だと理解しなければならなかったのです。
俺は戦える。俺はこういう武器があるとプレーで主張しコツコツその先入観やイメージを自らの力で変えていくしかないのです。
僕は時間をかけて、自身を変えていきました。それは現在も変わりません。人間というものはうまくいかない時、焦れば焦るほど周りに対して腹が立ち、何故俺だけがという感情が溢れ出します。毎日の練習や試合に一喜一憂しながら周りの自分に対するイメージを変えていかないとならないのです。

海外でやる為に必要な事は何か、と聞かれると、僕は必ず「忍耐」と答えます。
これはただ我慢するという事じゃなく、自分が置かれてる状況を理解して、コツコツと忍耐強く変えていくということです。だからただ耐えるだけじゃなく練習から自分を変えるために人一倍努力していかないとならないのです。
誰よりもチャレンジし続けなきゃいけない。ある時、それはたぶん、ドイツで、これが本当の意味での忍耐だと気が付くことができたのです。
ついでに言えば、何故海外でやり続けているのかというと、そうして認められた時に周りは本当の意味で自分を受け入れてくれるからなのです。
そして結果を出せば出すほど、いいステージが用意されていきます。今まで自分を不当に扱ってきた選手や監督をいい意味で感謝を込めて見返す事ができるのです。

日本でこれほどの振り幅を経験する事はなかなかできませんでした。シュツットガルトでの2年半はそういう自分の弱さと向き合えた絶好のチャンスだったのです。これからもこの経験が役立つことでしょう。どのような逆境に立ってもくじけない忍耐力を獲得できたと思います。
他人の一方的な先入観や自分の現在地を受け入れる行為は、僕にとってはある意味で楽しみの一つとなりました。
そこを乗り越えることができたら、その時、はじめて自分のみた事のない景色をみることができます。成長を感じる事ができるのです。

世の中が抱くイメージを変える事は人によってはマイナスからのスタートと思うかもしれません。一からやるということは忍耐とか我慢を伴い辛いというイメージがあるかもしれません。でも、僕は違うと思うのです。誰も経験してない人生に興味があるし、自分が見た事ない、得た事ない何かにいつも期待しています。
そんな風に考え方を変えることができた時に、辛い事は楽しみに変化するのです。

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