過去に経験した痛みを未来に活すことで、その痛みが人生にとってかけがえのないものになる。安田祐輔さん著『暗闇でも走る』

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何度でもやり直すことのできる社会をつくる。

ひきこもりや不登校など、なにかしらの課題を抱えた人々を主な対象に学習支援を行なっている個別指導塾「キズキ共育塾」を経営する安田祐輔さんは自身の著書、『暗闇でも走る』のなかで、こう語ります。

本書を読んで、共感した事、印象に残ったことはたくさんあります。

人が挫折したときに感じること。途上国の発展に貢献することが、本当に人々の幸せにつながっているのか否かという国際協力におけるジレンマ。就職活動という選択を前に、感じる違和感に気づかないふりをして、他者の価値観に飲み込まれてしまうこと。

それぞれの切り口から思うことはあるのですが、今回は「働くこと」について本書を読んで感じたことをすこし書きたいと思います。

本書では働くことについて、「ライス・ワーク」「labor」、「ライク・ワーク」「work 」、「ライフ・ワーク」「mission」という分類がでてきます。

ようは「お金を稼ぐために働く」か「好きなことを仕事にする」か、「人生をかけて成し遂げたいことを仕事にする」か大きく3つの要素に分けることができ、どこに重きをおくかということです。

3つの要素のうち、生活に必要なお金を稼ぐことは、働くことの大前提です。どんなに好きで、人生をかけて成し遂げたいと思うことでも、最低限食べていくことができなければ、続けていくことが非常に難しいです。

ただ、世の中には食っていくためだけに仕事をしているのではなく、好きなことを仕事にしている人だったり、何かの使命感を持って仕事をしている人がいます。

安田さんもそのひとり。では、なぜ彼が、人生をかけて成し遂げたいと思うような使命感を持って仕事に取り組んでいるのか。

本書を読むとその理由がよくわかります。

お世辞にも良いとは言えない幼少期における家庭環境、いじめられた経験、新卒で入社した会社をうつ病で退職。

よく、「原体験」という言葉をつかって、行動の理由を説明している人がいます。人生をもの語りとして語るとすれば、「原体験」は大きな転換点だったり、強烈に自分の人生に影響を与えているようなことだったりします。

安田さんの原体験は、過去に経験した挫折や困難でしょう。

こう考えると、以前に藤野英人さんがFacebookに投稿していたことを思い出します。

「働くとは、生きるためにいやいや働くか、ごく一部の好きなことを見つけられた人だけ楽しく働くことができるという2種類しかないと思っていた。しかし、授業を通じて、自分の過去の痛みを未来に活かそうとする人たちの存在を知り、働くということをようやく肯定できるようになった」

安田さんは、まちがいなく自分の過去の痛みを未来に活かそうとしている人のひとりです。人生をかけて「何度でもやり直すことのできる社会をつくりたい」思うような使命感は、過去の痛みからきているのでしょう。

こうやって、自分の痛みを未来に役立てるために行動できる人がもっともっと増えていけば、もっともっといい未来が待っているように思えます。なにより、安田さんのような人がいると、「自分ももうちょっと頑張ってみようか」思う人が増えるでしょう。

これを書いている僕自身も、何度か大きな挫折を経験しています。過去の痛みをいまだに引きずっていたりもします。もしかすると、その引きずっている痛みは、未来に活かし、誰かの痛みをすこしでも減らすことができたときに、癒えてくるのかもしれません。

そうすることで、過去の痛みや挫折が自分の人生にとってかけがえのないものに変わっていくのかもしれません。

すこしでも安田さんの活動に興味がある方は、本書をぜひ読んでみてほしいと思います。

それでは今回はこのへんで〜!

安田祐輔さんのブログはこちら→キズキグループ代表 安田祐輔のブログ

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