住民が公共的なビジネスの担い手として、再生可能エネルギーへの転換を目指す。

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ドイツ人女性のウアズラ・スラーデクはシェーナウ電力会社(EWS)の創設者です。

EWSは、再生可能エネルギーを利用した電力会社として、原子力や石炭からの脱却と再生可能エネルギーをへの転換を推進しており、ヨーロッパでも屈指の規模を誇っています。

今回は、ドイツの独立発電事業者たちのネットワークの核として活動をしている彼女とEWSについての話をしたいと思います。

彼女はもともと普通の主婦

彼女にとって1986 年のチェルノブイリ原発事故が人生を大きく出来事になりました。原発事故が自分の町や環境、子供に与える影響を思い怯えていました。

その時彼女は思いました。

死の灰の恐怖に怯えながら暮らすのはもうたくさんだ。予想だにしない大惨事を引き起こすようなエネルギーから脱却するのだ、と。

原発事故によってエネルギー政策や電力業界は変わるであろうと考えていた彼女。しかし現実は何一つ変わることはありませんでした。

そのため、自分たちが立ち上がるしかないと決意し、夫や町内の友人と共に<原子力のない未来をつくる親の会>を立ち上げ、子どもたちのために安全な大体エネルギーを約束しました。

1991年、彼女は、地元の送電の買い取りと新たな電力会社設立を目指し、運動を始め、その6年後、想像を超えるスピードでドイツ中から資金を集め、自分たちの送電網を手に入れました。

ブロック熱発電所の建設とソーラーパネルの設置を皮切りに、EWSは地元で消費する電力の一部を生産し始め、100年にわたって続いた大手電力会社の独占は終わりを迎え、EWSは電力業界の構造そのものに変革をもたらすことになりました。

出資した誰もがEWSのオーナーとなり、議決権を持つ

彼女は、エネルギー供給の分散化と民主化という当初の目的どおり、本当の意味でEWSという会社を「みんなのもの」にすることを決意しました。

つまり、出資した人は誰もがEWSのオーナーとなり、経営に関しての議決権を持つことができるようにしました。

住民自身が公共的なビジネスの担い手となるハイブリッド型社会モデルは、世界的に馴染みありません。しかし、彼女は当時から社会を動かすには大勢の人の参加が不可欠であると気がついていました。

彼女のビジネスモデルは、全住民が地元のエネルギー問題の解決に関わり、街の未来づくりに加わることができます。一人ひとりが変化の源であり、変革の担い手なのです。それぞれが多かれ少なかれ、やりたいかたち、できるかたちで、世の中に変化を与えていくのです。

彼女の活動はドイツにとどまらず世界中に広がっていく

EWSに刺激を受け、ドイツのシュトゥットガルトのような大都市でも、送電網管理とエネルギー供給を自らおこなおうとするところが出てきてます。また小さな町の多くはEWSと連携して、独自の協同組合モデルをつくり、設立時から住民を巻き込んで活動しています。

そして、活動は世界中に広がろうとしています。日本を始め、イタリア、オランダ、韓国、チリ、アメリカなどから議員が訪れ、EWSモデルを自分たちの国でも応用できるかを視察しにきています。

普通の人々を動かす

EWSモデルの中心にいるのは、一般的な市民の人々です。彼らは財政面でEWSを支えるだけでなく、再生可能エネルギーをつくり、消費をするという行動面でも参加しています。

一人ひとりの考えや行動が変わっていき、住民一人ひとりが周りを巻き込んでいくことができれば、とてつもなく大きな力となります。

さいごに

日本は、震災の原発事故で多大な被害を出し、今でも立ち入り禁止区域があり、仮設住宅に住んでいる方がたくさんいらっしゃいます。未だに原発事故の影響を受けており、これからも原発事故の収束に向けて何十年と取り組まなくてはなりません。

しかし、事故を経て、エネルギー政策や電力会社の姿勢はどれほど変わったのでしょうか。原子力発電の再稼働も始まっています。原子力発電への依存体質は変わったとはいえないでしょう。

EWSの活動は日本でも注目を浴び、彼女は来日し講演を行っています。また、『原子力に反対する100個の十分な理由』と題した冊子の日本語版の作成も行っています。

私達一人ひとりがしっかりとこのエネルギー問題に向き合わなくてはいけないのではないでしょうか。

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